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2018年11月 7日 (水)

感じる言葉オノマトペ

感じる言葉オノマトペ/小野正弘(角川選書,2015)

 日本語は世界一と言っていいくらい、オノマトペ(擬音語・擬態語)が豊富な言語らしい。そんな日本語のオノマトペの芳醇な世界の一端を紹介する本。

 しかし、内容は予想とだいぶ違っていた。オノマトペ全般について解説するのではなく、具体的なオノマトペをいくつか取り上げ、その歴史的な意味やニュアンスの変化について、豊富な引用例に基づいて考察する趣旨の本なのだ。
 項目は全部で16。似たような語感のオノマトペをまとめて一項目にしているので、実際に出てくる語数としてはもっと多いのだが、それにしても、意外と少ないという印象である。内容は以下のとおり。

オノマトペの意味変化――イントロダクション
いらいら/うか うっかり/からから がらがら/かん かあん がん があん/きりきり ぎりぎり/さくさく ざくざく さっくり ざっくり/ぞっ/どきどき/のたり のたのた のろのろ のろい/はたはた ばたばた ぱたぱた/ふわふわ/ほのぼの/むかつく むかむか/めろめろ/よよ/わくわく

 あとがきによると、「本書は、当初の予定では、もっと語数を多くして、辞書の用例が少し詳しくなったようなものを付した簡便なイメージを考えていた。それが、書いているうちに、意味の変化の経緯を説明しようとすると、どんどん詳しくなってしまい、結局、このようなかたちになった。語数は、当初の予定のたぶん三分の一くらいになっているが、その分、各項目は読みごたえのあるものとなっているのではないかと思う」とのこと。
 いや、その「当初の予定」でよかったのではないかと思う。
 用例が詳しすぎ、というか、引用部分が長すぎ。特に必要のない前後の部分まで含めているせいで、引用がやたらとページ数を食っている。しかもそれに現代語訳までつけている。
 そこのところはもっと簡単でいいから、語数を増やしてほしかった。
 まあ、内容としては、興味深いものがけっこうあるが、「読みごたえのあるもの」というより、ちょっと冗長な感がある。
 逆に、もっと説明が欲しかったのが「ぞっ」の項目。「ぞっとしない」という言い方がなぜできたのか、本筋からちょっとはずれるせいか、何も書いてなかったのが残念。まあ、読めば何となく推測はついたが。

 いずれにしても、本書は、『オノマトペの歴史』みたいなタイトルをつけた方が、こういう内容を読みたい人のところに届くのではないだろうか。

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