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2019年2月12日 (火)

ペットボトルは英語じゃないって

ペットボトルは英語じゃないって知っとうと!?/アン・クレシーニ(ぴあ,2018)
 著者はアメリカ出身で、本職は北九州市立大学准教授、専門は言語学とのこと。それ以外にブロガー、コメンテーターなど多彩な活動をしている。タイトルにもあるように、時々出てくる九州弁が特徴。
 本書は著者のブログから生まれた、和製英語に関する本。間違った英語としてバカにしているのではなく、「魅力的な日本人のコミュニケーションツール」として評価している。同時に、「英語じゃないから英語圏で使うと言いたいことが通じない可能性が高い」ということで、そのための注意を促すのも本書の主旨のひとつ。

 内容はChapter01から04まで。
 このうちChapter01「ジャパングリッシュの宝庫はこの8カテゴリー」と、02「コレとくっつくと和製英語が生まれる!?」とで、本書のページ数の大半を占めている。
 Chapter01では、和製英語を「たべもの」、「ファッション」、「ビジネス」、「テクノロジー」、「TV」、「スポーツ」、「クルマ」、「ライフスタイル」の8部門に分けて紹介。
 例えば、「ソフトクリーム」→"ice cream"、「フライドポテト」→"French fries"、「マニキュア」→"nail polish"といった具合。中には、「フライパン」→"frying pan"、「エンゲージリング」→"engagement ring"みたいに微妙な違いのものもある。
 Chapter02は、和製英語を作りやすい要素をいくつか抽出し、それぞれを含む和製英語を取り上げている。「アップ&ダウン」、「マイ」、「ポイント」、「ノー」、「タッチ」、「数字」などの各要素。
 そしてこの章では、むしろ和製英語の表現力に関心しているところも見られる。例えば「ノーマイカーデー」とか、英語で言おうとするとやたら長ったらしくなるのだそうだ。「スキルアップ」、「マイペース」、「ノーメイク」、「ワンピース」、「サラリーマン」、「シルバーシート」などの語が登場。
 Chapter04「CHECK! 「英語」+「英語」=和製英語!?」は、英語と英語を独自に組み合わせた和製英語が登場。「ランニングマシーン」、「パイプカット」、「ベッドタウン」など。
 Chapter05「CHECK! 英語だけど、意味が違う和製英語!」は、もしかして本書で一番大事な章かもしれない。英語本来の意味と違った使い方をされる言葉の数々。例えば、「マンション」(豪邸)、「ストーブ」(オーブン)、「カミングアウト」(性的アイデンティティを告白すること)など。英語に全然ない言葉なら怪訝な顔をされるだけですむが、誤解を招く言葉というのは要注意である。
 また、ところどころコラムもはさまっている。「アンちゃんが街で目にした、びっくりジャパングリッシュ」、「英語になった日本語」、「英語じゃないカタカナ語」など。この中でも特に「英語じゃないカタカナ語」は、なかなか面白い。和製英語じゃなくて、そもそも英語ですらない言葉たちである。「パン」、「アンケート」、「アルバイト」、「ピーマン」、「ピエロ」など。本書には出てこないが、「デッサン」、「ゴム」、「シュークリーム」とかもこのたぐい。

 こんな内容で、実に多くの和製英語が出てくるのだが、総ページ数が150ページ足らずと薄くて文字数は少ない。Chapter02などは、個別の言葉の説明がほとんどない。まあ見ているだけである程度はわかるのでよしとすべきだろうが、「読む本」としては少々物足りないような…。

Petbottlewaeigojanai

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