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2020年12月16日 (水)

トリック・とりっぷ

トリック・とりっぷ/松田道弘(講談社,1982)
 このところなぜか古本が続く本ブログである。
 タイトルどおり本書のテーマは「トリック」。ではあるが、どうもつかみどころのない本である。
 中身はミステリのトリックと手品のトリックの話が大半。他に、トリックみたいなパズル、詐欺、ジョークの話などが出てくる。つまりいろいろな意味での「トリック」の話がごちゃ混ぜに入っている。
 著者は奇術研究家で、日本推理作家協会会員でもあるとのこと。推理作家協会所属なのに小説は書いておらず(他にも翻訳家などでそういう人はいるが)、他に『トリックものがたり』、『トリック専科』などの著作がある。どれも内容は本書と似たようなものらしい。
 それにしてもこの人、調べてみると著書がけっこう多かった。かなりの年だが(1936年生まれ)、まだ存命らしい。

 本書の内容は、22編の短いエッセイからなっている。元は『小説現代』の連載コラム。
 最初の「ミステリは二度おいしい」は、ミステリというより物語の発想法について。「さかさ桃太郎」を題材に、物語のトリックを語っている。
 次の「技巧的なあまりに技巧的な」は、ボトルシップの話から始まり、上下逆さにしても読める(というか、逆さにして物語が完結する)アメリカの漫画について解説。
 さらに次の「奇智との遭遇」は、詰め将棋とパズルゲームの話。こんな感じでどうもまとまりがないが、なんらかの形で「トリック」につなげるというのは意識しているようだ。後半になるとミステリや奇術の話が増えてくる。
 読みものとしては正直言って平凡なものだが、話のネタにはなりそうな本である。
 なおイラストは、ブルーバックスの挿絵などでなじみのある、懐かしのイラストレーター永美ハルオ。Wikiで調べてみると、この人も90歳近いがまだ存命のようだ。著者もイラストレーターも長生きである。

Tricktrip

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